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山崎寛子パーソナル・インタビュー【第2回】制作前に感覚を鋭敏にしてくれる意外なモノ

全4回に分けて掲載中の、弊社所属の山崎寛子へのパーソナル・インタビュー。第2回となる今回は、専門学校への進学や作家としての活動開始にまつわるエピソード、制作時に彼女の創作意欲を高めてくれるものについて語ってもらいました。

――前回の最後、大学卒業後に専門学校へと進まれたお話をしていただきましたが、そのときはどんな音楽を突き詰めたかったんですか?

山崎 そもそも私、最初は劇伴をやりたかったんですよ。音楽の道に進むか迷っていた時期に、ドラマから聴こえてきた音楽がすごくいいなと思って。「こういうのやってみたい!」と興味を持ったんです。だから専門学校も劇伴音楽のできるところを選んで、そこの劇伴コースみたいなところに所属しました。ただ、劇伴コース所属でもいろんな授業を受けられたので歌モノコースの授業も受けに行っていたら、歌モノばかりが褒められまして(笑)。それもあってだんだん歌モノにも興味が出てきて、そちらを書くほうが多くなったんです。

――それからPOPHOLICさんに所属されるきっかけは、どんなことだったんですか?

山崎 その専門学校には、校内の募集で勝った人がいろんなレーベルの人が来るオーディションに出られる、という仕組みがあったんです。で、その場で自分の曲を流しながらプレゼンしたら、興味のある会社さんの札が上がる……みたいな。

――『スター誕生!』方式(笑)。

山崎 そうなんです(笑)。それを通じてお話する機会があった方の中に、POPHOLICとつながりのある方がいて。その方の紹介があって、所属することになったんです。

――そして早速、作家としての活動を始められて。

山崎 はい。所属後最初のお仕事は、喜多村英梨さんの「Be Starters!」というシングルのカップリング曲「彩-sai-」でした。たぶん所属してから2曲目ぐらいに書いた曲だったと思います。

――その後、喜多村さんの楽曲もたくさん手掛けられていきましたが、その際ポイントにされたことはどんなことでしたか?

山崎 やっぱりタイアップがついている曲はその作品に寄り添うのが最優先なんですけど、喜多村さんの曲に関してはアルバム曲も含めて「もっとこのぐらい激しいロックでいきたいんだよね」みたいに、だいぶご本人と話し合った気はします。

――ご本人の希望も汲み取りつつ、山崎さんとしてのチャレンジも散りばめていって。

山崎 そうですね。特に「re;story」(※作詞・作曲・編曲を担当)という曲は、あまりロックなどを聴いて育ってこなかった私にとっては、ああいう激しい曲を初めて書いたこと自体がチャレンジでした。なのでまず、速いテンポ感に自分自身が慣れたり、世界観を知るために、喜多村さんオススメのメタルを聴いてみたりしまして。「ドラム、いくつ鳴ってるんだろう?」みたいな曲もあったり(笑)、初めて知ることが多かった気がします。

――そのうえで、山崎さんがこだわられたポイントは?

山崎 「re;story」を作ったときにいちばん最初に頭に浮かんだのが、イントロの刻みのストリングスなんですよ。それは、自分が好きで聴いていたいろんな劇伴CDからインスピレーションを得たものなんですけど、あの曲はそれをとっかかりに作ったといいますか。メロディもそのフレーズからヒントを得たぐらいなので、普通の曲とは作り方から若干違うかもしれません。でもあの曲は、ストリングスの雰囲気が大事になっている気はするので、あの作り方で正解だったと思っています。

――そうして作家デビューされてから、現在までたくさんの楽曲を生み出されてきましたが、楽曲制作に入る前のルーティンのようなものはありますか?

山崎 必ず行なうことはないんですけど、作詞する前に少女漫画を読むと、すーっごい創作意欲が高まるんですよ。内容は読んだあとに書く歌詞と関係ないし、参考にするわけでもないんですけど、少女漫画を読んでいると漫画に描かれていない心理描写や背景のことが自分の中に浮かんできて、「今、書ける!」みたいな感じになるんです。

――創作のアンテナを鋭敏にしてくれるというか。

山崎 そうそう。しかもなぜか、少年漫画だとそうならないんですよ。普通に好きでは読むんですけど。少女漫画だけが、私を高めてくれるんです(笑)。もしかしたら少女漫画を通じて、自分が学生時代とか青春時代だからこそ感じられた胸の締め付けとかがフラッシュバックするような感覚も、創作に大事なのかもしれないです。

――ということは、結構漫画も買われている?

山崎 めちゃくちゃ買ってる気がします。いいなと思った先生だとデビュー作の単行本から全部集めたりしているので、数は怖くて数えてません……(笑)。

――電子で? それとも紙で?

山崎 少年漫画は紙で買いがちなんですけど、少女漫画だけは電子で買ってます。なぜかそのほうが読めるし、高まるんですよ。

――ちなみに、最近のお気に入りはなんですか?

山崎 新刊を楽しみにしているのは『セクシー田中さん』っていう漫画で。ヒューマンドラマとコメディのバランスが良くて、心理描写もいい感じなんですよ。

――そういう繊細なところから、ご自身のアンテナみたいなものもちょっと引き出される部分も?

山崎 たぶん、あると思います。なので漫画家の先生は、めちゃめちゃ尊敬しています。

第3回は、制作の話題についてさらにフォーカス。自身の音楽的なターニングポイントや、楽曲提供する際に心がけていることなどについて語ってもらっています。次回もどうぞ、お楽しみに!

山崎寛子Profile

山崎寛子(やまさきひろこ)シンガーソングライターとしての持ち前のメロディーセンスと、言葉の選び方に定評があり、堀江由衣、喜多村英梨、小倉唯など多くの女性声優、アーティストの楽曲を手がける。近年では楽曲提供だけではなく、人気アプリゲーム『白猫プロジェクト』の楽曲では、歌唱・作詞・作曲・編曲の全てを担当し、透明感のある歌声も披露している

インタビュアーProfile

須永兼次(すながけんじ)。群馬県出身。中学生の頃からアニメソングにハマり、会社員として働く傍らアニソンレビューブログを開設。2013年にフリーライターとして独立し、主に声優アーティストやアニソンシンガー関係のインタビューやレポート記事を手がける。
Twitter:@sunaken

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