暖冬とはいえ、2月に入り本格的に寒くなって来ております。人が集まる場所ではマスクが無いと不安な日々も続きますね。そんな日は家に籠ってアニメやドラマを見る方も多いのではないでしょうか。
弊社は、アニメやアイドルの歌物の楽曲制作以外にも、アニメやゲーム作品のBGM制作にも力を入れております。曲数やスケジュール感などは作品によって様々ですが、今回は『アニメの作品の劇伴・BGMの制作の流れについて』大まかな流れをご紹介いたします。
劇伴とは『劇中伴奏音楽』の略称です
アニメ、ドラマ、映画、舞台の劇中に流れるBGMの事を『劇中伴奏音楽』と言い、その略称を『劇伴(げきばん)』と呼びます。音楽関係の方々ではポピュラーな呼び方になります。
劇伴制作の流れ
1.クリエイターの選定・スケジュール確認
アニメの音響監督など、制作側の方からクリエイターをご指名を頂く場合と、数名候補の中から選んで頂く場合があります。作品に合う楽曲を書けるクリエイター選びはもちろんの事、決められた納期までに数十曲の楽曲を仕上げる事が出来るクリエイター選びが大前提になって来ます。
2.ご予算の相談
作品によって打ち込み主体になるものもありますが、アニメの劇伴制作においては、生楽器のレコーディングを頻繁に行います。生楽器のレコーディングに掛かる費用は、主に下記になります。これらを踏まえてクライアント様とご予算のご相談を行います。
- 編曲料
- ミュージシャン演奏料
- レコーディングスタジオ料
- レコーディングエンジニア料
- 写譜料*
*クリエイターが書いた譜面を、専門の業者の方にスコア・各楽器のパート譜に起こして清書して頂く事を『写譜』と言います。近年は譜面制作ソフトがあるため、クリエイター自身やそのアシスタントの方が譜面を作成する事が増えました。
3.メニュー打ち合わせ
原作がある作品の場合、小説・漫画などの参照資料を頂き、原作がない場合は、プロット(物語のあらすじが書いている物)やキャラクターデザインなどの資料を頂いて、作品のイメージを固めてから『メニュー打ち合わせ』に入る事が多いです。
『メニュー打ち合わせ』は、実際に監督や音響監督の方から、「こういう場面で流れる楽曲を何曲欲しい」、「この楽器を使って欲しい」などの要望を始め、曲の長さなどの指示が書かれたメニューシートを基に、クリエイターとイメージの擦り合わせを行うための打ち合わせになります。近年の主流の『1クール(3ヶ月で約12話分の30分)』のアニメですと、30〜40曲制作する事が一般的です。曲数は作品によって様々です。
4.デモ音源制作
クリエイターが『メニュー打ち合わせ』でイメージを膨らませた楽曲を実際に制作します。大半はDTM上のソフトシンセを使用して打ち込み、デモ曲を制作して行く事が多いです。1クールのアニメですと、期間は1ヶ月〜2ヶ月ぐらいですが、この期間も作品によって異なります。
デモ音源を音響監督の方に確認頂き、方向性を確認します。作品の中で頻繁に使用される予定の『テーマ楽曲』など、重要度の高い楽曲があれば、それから制作して行くことも多いです。
5.レコーディング準備
デモ音源で全曲OKを頂きましたら、生楽器のレコーディングの準備を行います。デモ音源のどの楽器を生楽器に差し替える、あるいは、作品にあったミュージシャンの選定、レコーディングスタジオ・エンジニアの選定を行います。ミュージシャンに演奏して頂く為に、クリエイターは譜面制作も行います(写譜業者にお願いする場合もあります) 。
6.レコーディング
実際にレコーディングスタジオで生楽器の演奏を収録していきます。録音する楽器によっては、同時に演奏したり、時間を区切って別々に収録したりと録り方は様々で、クリエイターの進行しやすい形で行います。長時間スタジオを抑えて、時間毎に様々な楽器を収録していくことが多いです。生音に差し替える楽器で多いのはストリングスです。生演奏には、音の強弱や機微、暖かさ、鋭さ、勢い、揺らぎがあり、ストリングスは打ち込みでの表現はなかなか難しくなります。
やはり劇伴は、アニメ等映像ありきのため、主張しすぎずに情景や心情を描く事が出来るような楽器を選択する事が多いです。ストリングスやピアノ、木管楽器なども多く使用されます。
7.ミックスダウン
主にレコーディングエンジニア、クリエイターがレコーディングした音を整理し、1曲1曲バランスなどを調整して行く作業になります。1クールアニメの場合は、レコーディング日とは別日にミックスダウン確認日を設けることが多いです。
クリエイター、そしてクライアントが確認の上、OKになった楽曲からマスター音源を作成して行き、クライアントがご希望の納品形態で、マスター音源を納品します。必要に応じてステム(各楽器毎に分けている音源)も作成します。
ステム作成の用途としましては、作品の場面によって尺を調整しやすかったり、「ここはこの曲のピアノだけが鳴っていて欲しい」や「途中からリズムが入って来て欲しい」など、1曲の中でも劇中に曲を乗せる使い方にバリエーションが産まれる為です。これでアニメのアフレコのダビング作業に入る流れになります。
用途・予算に応じてお見積りいたします
今回は『アニメ劇伴の制作の流れ』についてご紹介しましたが、他にも弊社ではゲームのBGM制作や、舞台音楽の制作、劇中で流れる挿入歌の制作など多岐に渡ります。
用途やご予算に応じてお見積りをさせて頂き、臨機応変・柔軟に対応いたしますので、アニメ劇伴やゲームBGM制作できるクリエイターをお探しの際は、お問い合わせフォームよりご相談ください!