コロナの感染者も増えている中で、フルでお客さんを入れて音楽ライブを行えない状況が続いておりますが、満員から1/3~1/2程度の規模でお客様を入れつつ、同時にライブ配信を行うなど、ライブコンサート自体は少しずつ動き始めて来ております。
今回は、音楽ライブで伴奏を務める『バックバンドのコーディネイト』についてご紹介します。
バンドコーディネイト業務について
まず「コーディネイト」とはファッションでは良くなじみがある言葉ですが、意味合い的には「いろいろな要素を統合・調整し、一つにまとめ上げる」という意味です。その仕事をする役職が「コーディネイター」になります。
弊社は作家のマネージメントを行う「マネージャー」の役割をしながら、その作家が関わった作品に関する下記のようなレコーディング関連業務の制作進行や予算管理を請け負う事が多く、この役割は「レコーディングコーディネイト/Recording Coordinate」という名目でクレジットされます。
- 生楽器レコーディング時のミュージシャンの手配
- レコーディングスタジオの手配
- レコーディングエンジニアの手配など
一方音楽ライブの「バンドコーディネイト」は、依頼元であるメーカー様やライブ制作の方と、バックバンドを繋ぐ役割になります。「〇〇のライブにバックバンドを入れたい」とご発注頂き、そこからバンドメンバーの選定を始めます。下記のような依頼元のご要望に合わせて、ミュージシャンを手配いたします。
- バンドマスター(※バンドのリーダーでアレンジなどまとめる役割)の指名
- 楽器の編成(ドラム/ベース/キーボード/ギター/ブラス隊など)
- メンバーの男女構成
- バンドの特色(速いROCKが得意/幅広いジャンルに対応できるなど)
バンドコーディネイトの流れ
1.バンドメンバー選定
まず最初は、そのライブに合いそうなバンドマスターの方のスケジュールを確保します。そしてバンドマスターの方と話し合いながら、予算に応じて楽器編成を決め、他のパートのバンドメンバーのスケジュールを確認して行きます。バンドメンバーのキャラクターが『演奏するアーティストに合うか』なども色々考えながら、ミュージシャンの方々を選定する作業はなかなか難しいですが、一番重要でとてもやりがいのある仕事です。
2.演奏環境 確認
各ミュージシャンのモニター環境の確認や、使用機材・レンタル機材をどうするかなど、細かく演奏環境を整え確認します。
3.演奏資料作成
演奏楽曲・セットリストが決まって来た段階で、バンドメンバーに演奏用の楽曲音源と、マスターリズム譜面(バンドメンバーが共通で見る譜面~楽曲の構成、コード、キメなどが書かれています)を展開します。ライブ限定の特別なアレンジが必要であったり、譜面が無い場合は、バンドマスターか別のクリエイターに依頼し、音源と譜面を作成頂く事もあります。
4.シーケンスデータ作成
近年の音楽ライブではほとんどと言って良いほど、生バンドで演奏する以外の音が入っています。その事を「同期」や「シーケンス」と言います。その音をデータを取りまとめてコンピューターで再生するのが「マニュピレーター」さんのお仕事です。演奏資料を作成すると同時に、この同期データを作成し、マニュピレーターの方にデータを渡します。
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5.リハーサル・BGM作成
全部の準備が整ったら、リハーサルを行います。スタジオの詳細の連絡、駐車場の手配、入り時間の連絡など。リハーサルが終わってから、練習音源の共有や、次のリハーサルの詳細、本番会場の詳細をバンドメンバーに伝えます。リハーサルを進めていく上で、「ここにBGM・SEがあった方が良い」「ライブのオープニングBGMを作りたい」など要望があった場合、こちらもバンドマスターか、別のクリエイターに依頼して音源を作成します。
6.ライブ本番
ライブ当日、会場入りからステージまでの導線確認して、バンドメンバーのアテンド、タイムスケジュールを伝えたり、機材の持ち帰りの流れなどをローディーの方と相談たり、楽屋周りでバンドメンバーのサポートを行います。
様々なご要望に合わせてバンドコーディネート
今回書かせて頂いた内容は、あくまで筆者の経験で考え得る形式の一つ、他にも様々なパターンがございます。これまでも、アニメ作品関連、アーティスト、声優アーティスト、アイドルなど、様々なライブのバンドのコーディネイトを行って来ました。もちろんバンド無しで、カラオケ歌唱のライブもコーディネイト可能です。
ライブを行いたいけど、バンドメンバーをどう集めたら分からない!どのような工程を踏めば良いか分からない!など、お困りの際は、お気軽にお問い合わせフォームよりご相談ください!
担当:塩屋