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Motokiyoパーソナル・インタビュー【第1回】ゲームを使ってDTMをしていた少年が音楽の道を志すまで

今回の記事から、弊社所属のMotokiyoへのパーソナル・インタビューを4回に分けてお届け。まず第1回となる今回は、学生時代の音楽への親しみ方など、Motokiyoの音楽的ルーツを中心にご紹介。音楽を仕事にすることを志したきっかけや、専門学校入学までをじっくり振り返っていきます。

――まずは、Motokiyoさんの音楽的ルーツからお教えください。

Motokiyo 小さいときは、Mr.Childrenさんなどをはじめとした90年代の“ザ・邦楽”曲を聴かされて育ちました。ただその頃聴いた曲は物心ついた頃にはほとんど忘れてしまっていたので、作曲するうえでのルーツではないかもしれませんね。「なんか懐かしいな」という感覚は残っているとは思うんですけど……。今につながるという意味では、中学1~2年生の頃にカラオケに通うようになったことがルーツでしょうか?

――それは、何がきっかけで?

Motokiyo 声変わりが来て自分の声がどんどん低くなっていくのが嫌で、カラオケとかで歌って、高い声出せばいいんじゃないかと。そうして通ううちに、選曲中などに流れるoff vocalの音楽が気になり始めまして。それまであまり意識してこなかった、歌のうしろの音楽を意識するようにもなっていったんです。そうしたら、ちょうど中学3年生のとき……定額給付金ってあったじゃないですか?

――ありましたね。

Motokiyo そのお金でギターの初心者セットを買って、初めて自分の楽器を手に入れたんです。正直そこまで「楽器欲しい!」とは思っていなかったんですけど、帰宅部でやりたいことや趣味もなかったので、何か新しいことをと思いまして。

――そのままギターを、自己流で?

Motokiyo はい。ただ、自己流だと最初ってコードも記号と弾き方以上の意味がわからないじゃないですか?そんな感じでつまづいていたときに、ちょうど『大合奏!バンドブラザーズ』という、DTMみたいなことのできるニンテンドーDSのゲームが近所のお店で割引価格で売っていて(笑)。それを買って耳コピや打ち込みを始めたんですよ。それがそのままパソコンに移ってDAWになっていったので、『バンブラ』も今の僕のルーツのひとつだと思います。

――ちなみに、アニメは元々お好きだったんですか?

Motokiyo 深夜帯以外のアニメは、幼少期から結構観ていました。『トムとジェリー』とか『トイ・ストーリー』みたいなビデオでアニメを観ていたりしたのもあって、暇な時間はアニメを見て時間をつぶす……という習慣があったんです。そんななか小学6年生のとき、学校帰りに寄った友達の家で、深夜に録り溜めたアニメを観て。そのとき初めて「え?そんな時間にアニメやってるの?」と知ってから、深夜帯のアニメも観るようになりました。

――その頃ハマった深夜アニメって、例えば何でしたか?

Motokiyo たしか『らき☆すた』が中1の頃で、ちょうどタイムリーだった気がします。そこで神前さんの曲に触れたんですよね(笑)。あと『かんなぎ』の「motto☆派手にね!」とかも、好きで聴いていました。

――時期としてはちょうど耳コピなどを始められた頃にあたるので、耳コピされた曲の中にはアニソンもあったのでしょうか?

Motokiyo はい。ただ、そもそもアニメの曲もJ-POPも特に区別せずに耳コピをしていて、ギターを弾いてみたりコードを鳴らしてひとりで歌ったりしていたんです。邦楽なら声を高くしようとしてたこともあってGReeeeNさんとか、アニソンだとちょうど水樹奈々さんの曲が着うたフルのサイトでよくランキング上位を取っていたりしたので、それも聴いたり耳コピしたり……改めて振り返ると、今とやっていることがあまり変わらないような気もします(笑)。

――そうやって趣味として親しまれてきた音楽を仕事にしようと思われたのは、いつ頃だったんですか?

Motokiyo 一度大学受験に失敗した後、進路についてやりたいようにやろうと考えたときでした。そのとき、自分にできそうな特技と呼べそうなことってDTMしかないなと。それで「これにまつわることを仕事にしよう」と思って、専門学校に入ったんです。ただそれが“音楽作家”まで具体的になったのは、専門学校に入ってからのことで。

――入学後にも、また転機が。

Motokiyo はい。元々は「スタジオエンジニアの勉強をしてスタジオに就職しよう」と思って、スタジオエンジニア向けのコースの学科に入学したんです。ただ、入学して一番最初の授業で違和感というか予感というかとにかく「ここじゃないかも」って感じがして……そのまま担任の先生に、クリエイター系のコースのある学科に転科したいと相談して転科してしまったんです(笑)。

――入学前に持たれていたイメージと、かなりギャップを感じたというか。

Motokiyo そうですね。ただ今思えば、入学の時点ではやりたいことと、それに対するためらいの姿勢が半々みたいな、悪く言えばどっちつかずのような感じだったんでしょうね。そもそも、自分がスーツを着て会社員として働いている姿がどうしても想像できなくて(笑)。でも逆に、家でずっと曲を作っているイメージは湧いたんですよ。だからきっと、最初の授業で「曲を書いていたいな」という気持ちに、気づかせてもらえたんだと思います。

第2回は、Motokiyoの専門学校進学後のエピソードを中心に振り返り。自身にも大きな変化をもたらしてくれた楽曲・音楽家や、デビューに至るまでの経緯について語ってもらっています。次回もどうぞ、お楽しみに!

Profile

Motokiyo。キャッチーで綺麗なメロディーと、品のなる「キラッ」としたアレンジを得意とする。自身もJPOP,アニメソングを好んで聴いている。中学3年生の時、ギターに初めて触れ、その後、独学で作曲、作詞をするようになり、高校1年生の時、ベース担当としてバンド活動。この頃からDAWを用いた楽曲制作を行うようになる。日本工学院専門学校芸術専攻課程ミュージックアーティスト科で音楽理論 を学び、2016年3月に卒業。在学中に作曲をしたTVアニメ「三者三葉」のED曲「ぐーちょきパレード」が採用され作家デビュー。同年9月にはオトナの土ドラ『ノンママ白書』の主題歌でCrystal Kayが歌う「Lovin’ You」を共同編曲を担当して、着実にキャリアを積み上げている。

インタビュアーProfile

須永兼次(すながけんじ)。群馬県出身。中学生の頃からアニメソングにハマり、会社員として働く傍らアニソンレビューブログを開設。2013年にフリーライターとして独立し、主に声優アーティストやアニソンシンガー関係のインタビューやレポート記事を手がける。
Twitter:@sunaken

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