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菊谷知樹パーソナル・インタビュー【第1回】音楽的ルーツ・作家になるきっかけ

今回の記事から、弊社所属の菊谷知樹へのパーソナル・インタビューを4回に分けてお届けします。まず第1回となる今回は、菊谷の音楽的ルーツや音楽作家になるきっかけなど、主に過去を振り返ってのエピソードをご紹介します。

菊谷知樹 パーソナル・インタビュー【第1回】

――まずは菊谷さんの音楽的なルーツから改めてお伺いしたいのですが。

菊谷 元々は、母親がピアノの先生をやっていまして。それで、クラシックピアノでバイエルとか、そういう教則本的なものを小4ぐらいまでやっていたのがいちばん最初だったような……あ、違う。その前にヤマハだ。幼稚園からヤマハのオルガン教室に通ってもいたんですよ。子供だとピアノの鍵盤が重くてどーんって叩けないから、最初はオルガンで白鍵と黒鍵の関係を知る……みたいな感じだったと思います。

――それでそのあと、お母様から。

菊谷 はい。でもだんだん言うことを聞かなくなって喧嘩しちゃって、2年ぐらい外に出されて。すごくおいしいお菓子の出るピアノ教室だったなぁ……。

――モチベーションは大事ですから(笑)。

菊谷 そこで初めてヨックモックのシガールを食べて、「こんなおいしいものがあるのか!」みたいに思った覚えがあります(笑)。

――逆に聴く側としては、小さい頃はどんな音楽がお好きだったんですか?

菊谷 聴くとなるといちばん古い記憶は、ソニーのラジカセが出た頃に親父が買ってきて、それを使ってラジオで聴いた小椋佳さんの曲がすごくいいなと思って。それをカセットに録音して繰り返し聴いていた気がします。それが小2か小3ぐらいかな? そのあとは、甲斐バンドとかを聴いていました……めちゃくちゃ古いんですけど(笑)。

――では、音楽をお仕事にされることを意識されたのは、どんなタイミングのことだったのでしょうか?

菊谷 大学生になってから、「ムスタングA.K.A.」というバンドをやっていたときですね。30年とちょっと前だったかな? その当時はバンドブームで、割とデビューするのがそんなに難しくない時期だったんです。ちょっと集客があると業界の人が「やんない? やんない?」ってわーっと寄ってくる、みたいな感じで。そんななかバンドでデビューして、お給料的なものをもらって(笑)。仕事にすることを意識したのは、それからぐらいですかね。

そのバンドは、リーダーっぽい立場の人が僕よりも10歳も年上だったんですよ。だからもう大人として「絶対にプロになる」ってビジョンがあったんで。それについていったような感じでしたね。ただ、そのバンドは2年ぐらいで潰れてしまいまして。

――それをきっかけに、作家業を?

菊谷 いや、僕は基本ギタリストだったので、そのあと7~8年ぐらいはギタリストとしての仕事をむちゃくちゃ細々とやっていたんですよ。それも、年に2回ぐらいどこかに呼ばれて弾くとか(笑)、それぐらいだったんですけど。

――ということは、当時は別のお仕事も。

菊谷 はい、メインは掃除屋で、ビルクリーニング技能士っていう国家資格も取ったんですよ。ただ、一生その仕事をやるとは思ってなくて。「自分、何かしら音楽の商売はできるんじゃないか?」という確信はあったんです。でも当時は全然商売にならなくて、たまーにギターを弾きに行ってギャラをもらう……みたいな感じでした。

――そんななかで、作家になるきっかけはどのように訪れたんでしょうか?

菊谷 ギタリストの仕事を通じて、POPHOLICの三上社長と知り合ったことだったと思います。当時はまだ、POPHOLICの原型もなかったんですけど。で、ちょうど作家を探していると聞いて、「ちょっとやってみれば?」というお話をもらってから、作家としてのキャリアがスタートしました。

――その後、事務所に所属するきっかけになった仕事は何だったのでしょう?

菊谷 田村ゆかりさんのツアーでギターを弾いたことですね。事務所の先輩の大久保薫さんが、バンドメンバーに誘ってくれたんですよ。ただ、実はちょっと勘違いで呼ばれたみたいで……。

――勘違いですか?

菊谷 実は大久保さんが探していたのは若手のギタリストだったんですけど、どうも僕が若く見えたようで、実際の年齢よりも10歳以上若いと思われていたらしいんです。それで「若いのいるよ!」って紹介してくれたんですよ。でも実際は自分より年上で、「あれ?」みたいになったらしいんですけど(笑)。

――ただそれが、菊谷さんにとってはひとつ大きなラッキーではあった。

菊谷 そう考えると、本当にそうですね。人生の中で、若く見られることでいちばん得したことかもしれないです。外国行ってタバコ買おうとしたら「ふざけるな」って言われるのに(笑)。

第2回は作家としての転機など、活動を始めてからのエピソードを中心に語ってもらっています。次回もどうぞ、お楽しみに!

菊谷知樹Profile

菊谷知樹(きくやともき)。1968年2月21日生まれ、東京都出身。1992年、「ムスタングA.K.A」でソニーレコードよりデビュー。解散後ギタリストとして、05年よりコンポーザーとして作曲・編曲を中心に活動中。近年はアニメの劇伴やCMなどのBGM作品にも定評がある。ギターサウンドからストリングス、ブラスサウンドをはじめ、自らマンドリン、ウクレレ、三線、鉄琴など幅広い楽器演奏もこなす。現在、OP主題歌を担当したアニメ「うらみちお兄さん」、劇伴を担当したアニメ「チート薬師のスローライフ」アニメ「女神寮の寮母くん。」が放送中。

関連ページ: 菊谷知樹(関連作品・実績等)

インタビュアーProfile

須永兼次(すながけんじ)。群馬県出身。中学生の頃からアニメソングにハマり、会社員として働く傍らアニソンレビューブログを開設。2013年にフリーライターとして独立し、主に声優アーティストやアニソンシンガー関係のインタビューやレポート記事を手がける。

・Twitter:@sunaken

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