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音源制作時の『ラウドネス基準』について

数年前から、TVやラジオなどの放送業界やゲームや音楽配信サイトなど「ラウドネス基準」が採用され、クリエイターや音響エンジニアなど、音を扱っている仕事をしている人にとっては知っておかなくてはいけない音量問題です。

最近ではマスターデータ(音源)を作成する際、「-5 LUFSから-24 LUFSまでの範囲」や「14(LUFS/LKFS)まで」など、納品するデータに音量の指示があり、音源を制作するのに注意することが多くなってきました。今回はこの「ラウドネス基準」についてご紹介します。

「ラウドネス基準」を採用する理由

ラウドネス( Loudness)とは、人間の耳で聞いたときの「音の大きさ」を指す言葉で、音の大きさの違いによって,低域や高域の聞こえ方が実際より強く聞こえたり、弱く聞こえたりする性質を含めた「音量(感)」を意味します。実際に鳴っている音の物理的な「音量」とは区別されます。

映画やドラマ、ゲーム、ラジオなど色々なところで音声や音楽を聴く機会は沢山ありますが、CMが入ったら急に音が大きくなったり、番組が変わったら全体の音量が小さくなったりして、ボーリュームを調整する機会はありませんでしょうか?

「ラウドネス基準」が各分野で採用されはじめて、最近はそのような機会が減ってきましたが、昔は番組やチャンネルによってバラツキがあり、DVDやVHSなども、作品によって聴きづらく音量を調節するということがありました。「ラウドネス基準」はこのバラツキを抑えるために作られたもので、各媒体で基準値の違いはあるものの、色々な分野で採用されています。

ラウドネスメーターの単位 LKFS/LUFSとは?

ラウドネスメーターで表示される単位はLKFSとLUFSで、Loudness, K-weighted, relative to full scale(LKFS)とLoudness Unit, referenced to Full Scale(LUFS)の略。規格の違いによる名称の違いなので、現在はどちらもほぼ同じ意味で使われています。1LKFS/LUFSは1dBと同じで、ラウドネス値が-14LKFS/LUFSのチャンネルを1dB下げると、-13LKFS/LUFSになります。

音楽ストリーミングや動画共有サービスでのラウドネスレベルは?

各サイトでの基準にしているラウドネス値は非公表ですが、Apple MusicやSpotifyなどの音楽ストリーミングサイト、そしてYouTube、ニコニコ動画などの動画共有サービスでも自動的に音量が調整されていまして、CD用にマスタリングした音源をアップした時に、勝手に音量を下げられてしまうこともあります。

海外の有料サービスになりますが、YouTube, Spotify, TIDAL,iTunesなどの主要の配信サイトにアップした際に、どの程度レベルを下げられるのかを表示してくれる、下記のようなプラグインも発売されており、手軽にチェック出来てとても便利です。

LOUDNESS PENALTY

また各メディアに合わせたプリセットを設定出来て、そのプラットフォームから配信される音源と現在の音源とのレベル差や、コンプレッションの度合いを視覚的に表示できる下記のようなプラグインも発売されています。

関連サイト:LOUDNESS PENALTY

MasterCheck Pro

以前は、ラジオやCDで曲を並べて聞いた時に聞こえが良いようにマスタリング時になるべく音圧を稼ぐのが主流だった時代もありましたが、現在は配信サイトなどにアップする際、適正なラウドネス値を把握しながらミックスするほうがダイナミクスを生かし迫力があるサウンドを得ることが出来るのかもしれません。

関連サイト:MasterCheck Pro

今回は少しマニアックな話になってしまいましたが、音楽制作、レコーディングエンジニア等でお困り際は、お問い合わせフォームよりご連絡ください!

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